楽園王◎公演
イッツ・ア・クローズドワールド [It'a Closed World.]
作/演出■長堀博士
・・・あのお馴染みの音楽が聞こえる。
私たちはそのメロディーを聴きながらゴンドラに乗って、世界を巡る。
踊る人形たち、くるくる回る笑顔、笑顔、笑顔。
陽気で真っ暗な、閉じた世界へ・・・
楽園王、1年半ぶりの新作は、
不思議な夢に導かれて夜の町を行く2人の姉妹のミニマムな旅行記、
姉の描いた少女漫画の世界と二重奏を奏でながら、
出口なき迷路を彷徨う。
今回、「イッツ・ア・クローズドワールド」という作品では、ワールドというタイトルに引っ張られて、物語ではなく、…いや、物語は物語として描いた上で…、世界を記述しようと考えました。だから、今まではしてこなかったアプローチもしていて、それは演出上の工夫でもあるので観てもらうしかないのですが、ちょっと今までとは違うことをしています。雰囲気ということを前面に出す、とか、具体的ではない理由も分からない不安が漂っている感じ、とか。でもそれはきっと作る側の問題で、まあ普通に普通の演劇作品ですので、足を運んで下さったお客様には、ただただ普通に楽しんでもらえたら嬉しいです。僕は演劇を始めた最初の頃に野田秀樹さんの夢の遊眠社にすごく影響を受けたから、演劇の面白さで、つい目指してしまうのが、訳は分からないけど面白い、です。分かる面白さではなく、分からない面白さ。それは好みの問題で、僕もこの話とは矛盾するような、説明をしてそれで何かが分かる、ということが楽しいとも言ったりしているから、分かる面白さも面白がれるけど、ただ分からなさって僕には圧倒的な時がある。で、今回は、とにかく楽園王で上演する中でも、そっち寄りの作品に。ところで今回、世界を記述、と言ってみたりして、そうすると、実は現実世界からの影響が嫌でも入って来る、というのが書いてみて感じたことでした。それは、書き始める最初から意思していたことではなく、登場人物がその世界で生きてきて、僕の認識としては奴らが少々勝手に動き始めて、そして辿り着いた発言なりに表れてくるもので。例えば、「はるか未来にどんな化け物が口を開けて待っていても、きっと、とうとう私達はその中に飲み込まれていく。」なんて発言がある。自分でもドキッとしている。それは、きっと、今の現在進行形の目の前の現実がこうじゃなかったら、出なかった発言だと思うから。別に意識して現実を描こうなんてしなくっても、現実は勝手に影響力を及ぼす。ホラーでもSFでもファンタジーでも。あっ、考えてみたら今回、「ホラーでもSFでもファンタジーでも」って作品かも。なんだか、とても不思議な作品。観て欲しいなって思う。今回の作品、特に多くの視線に鍛えられたい。本当、是非ぜひ検討して欲しいと思っています。そんな感じで、楽園王次回作「イッツ・ア・クローズドワールド」の紹介をしてみました。どうぞよろしくお願いいたします。(楽園王 長堀博士)
日時:
9月6日(木) 19時30分開演
9月7日(金) 19時30分開演
9月8日(土) 14時開演/ 18時30分開演
9月9日(日) 14時開演
※開場は開演の30分前。
※受付開始も同時です。
「推し」のメンバーへ直接ご予約したい方はこちら!!
長堀博士予約フォーム https://ticket.corich.jp/apply/93376/001/
秋葉舞滝子予約フォーム https://ticket.corich.jp/apply/93376/002/
大畑麻衣子予約フォーム https://ticket.corich.jp/apply/93376/005/
岩澤繭予約フォーム https://ticket.corich.jp/apply/93376/006/
本堂史子予約フォーム https://ticket.corich.jp/apply/93376/003/
さとう豆予約フォーム https://ticket.corich.jp/apply/93376/007/
杉田有司予約フォーム https://ticket.corich.jp/apply/93376/008/
朝長愛予約フォーム https://ticket.corich.jp/apply/93376/009/
料金:
ご予約/前売 \2800
当日 \3300
ご予約: 7月13日から。
劇場: 下北沢OFF・OFFシアター
東京都世田谷区北沢2-11-8TAROビル3F
*TAROビル3Fには「駅前劇場」もございます。お間違えのないようお気をつけ下さい。
★☆★下北沢駅「北口改札」を出まして、右へ行くと、旧南口があった通り、つまり「駅前劇場/OFFOFFシアター」の建物の通りへ出ます。>>OFFOFFシアター公式ページへ
お手紙。こんにちは。お久しぶりです。あの遊園地、あえてテーマパークと言わずに遊園地と呼んでみるけど、あの遊園地のことは好きなのです。と言っても、たぶんこれまで2回くらいしか行ってないし、いや、その回数も曖昧なら、最後に訪れてから十年以上も経っていて、すべてが曖昧な記憶なのですが、僕はすごく感心したことを覚えています。それは、闇の造形が優れていたと思ったから。闇、暗がり、その作り方が秀逸で、それがこの遊園地を一段階高めているのだなぁ、と思ったのでした。光、笑顔を描くということは、闇を描くということ。そんな当たり前を、あの遊園地は丁寧にお金を掛けてやっていて、そりゃ、って思ったのを覚えています。その中でも「イッツ・ア」は特に好きだった乗り物の一つです。音楽が無限に続いていて終わらないというのが、もうカオスだし、不条理劇だし、こちらも僕的にはそりゃって感じです。さて、修学旅行、中学も高校も京都奈良でした。公立でしたからそんなものです。で、京都には三十三間堂というのがあって、千手観音像が千躰納められているのですが、そこにも行きました。みんなが行くようなところの一つですね。ご存知とは思いますが、その千躰の中には、自分にそっくりの顔の観音像があるそうで、拝観する多くの人が自分を探します。僕も探してみました。その後、こんな噂を耳にしました。京都での三十三間堂が、東京(千葉)での「イッツ・ア」だというのです。地方の、修学旅行先が東京になってしまうような地域の子供たちにとっては、あの「イッツ・ア」の千躰の中に、自分の顔があると噂されているというのです。それを聞いた時には、「おー」って思わず声を上げて感慨深く思いました。さて、それならば、と僕は思います。あなたなら、あの笑顔の人形たちの中から、きっと簡単に自分を見つけ出せるのではないか。そう思ったからです。だってもしも「ワールド」を描き切ろうと思うのなら、笑顔じゃない人を配置しないといけないから。それがあなたです。……ごめんなさい。大変失礼ですね。でも当たっているでしょ? 当たって、そして、嫌なヤツって思いながら、笑ったでしょ? きっとあの「ワールド」には、あなたを苦笑って形で笑顔にさせる笑顔じゃないソックリさんが置かれています。屈折(笑)。ぜひ、いつかきっと、見つけに行って下さい。いや、いつかきっと、一緒に行きましょう。でもそれは未来の話、今は、今回は、目の前の仕事、そんなことを思いながら、あなた一人の為に新作を書きます。この世の中のすべての人が背中を向けても、あなただけはきっと笑うでしょう。だって僕の才能とはその為の才能だったから。ぜひ、時間を作って劇場に遊びに来てください。ぜひ。久しぶりのお手紙、失礼します。時は残酷ですね。でも、僕は劇場に帰ってきました。暗い暗い闇の中へ。また会える日を楽しみにしています。あなたへ。楽園王、長堀博士より。
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