楽園王『風』は、2024年に初代茨城劇王になった作品。このビデオは、凱旋公演として新宿眼科画廊にて再演したバージョン。(記録映像)
今回は、「楽園王とは?」という側面から、2025年の8月の仙台と10月の東京にて『ストーリーズ』を観劇する際の手掛かりとして限定公開。出演は、小林なほ子、イトウエリ、大畑麻衣子の3人。
『赤い靴』は、長堀作品ではとても上演回数が多い作品です。このビデオは、2024年に新宿眼科画廊にて上演した楽園王での上演ですが、最初に演出してくれたさひがしジュンペイさんを筆頭に、毎年どこかで誰かが上演している、と思うくらい発表されてきている短編です。ここでの出演は、澤崎妙、新乃舞子の2人。
・・・そして、楽園王や演出の長堀博士を紹介したいと思います。
楽園王とは?
1991年東京にて、劇作家である長堀博士の戯曲を自らの演出で上演する目的で設立。その後10年を経て、長堀の独自性の高い演出の面が評価され、古典戯曲や文学作品などもレパートリーに加わる。
富山県利賀芸術公園で行われた利賀演出家コンクールでは、過去に8回の出場を果たし、2004年にはイヨネスコ『授業』の演出にて優秀演出家賞を受賞。その後、2015年にはチェーホフ『イワーノフ』の演出にて奨励賞を受賞。
(財)静岡県舞台芸術センターからは2度の招聘を受け、春の芸術祭にて寺山修司『青ひげ』、エウリピデス『メディア』を上演。
日暮里d-倉庫で毎年行われていた現代劇作家シリーズにはほぼ毎年参加し、サルトル『出口なし』やベケット『芝居』などを上演。
サブテレニアンで毎年行われている板橋ビューネへは毎年参加し、シェイクスピア『リア王』や宮沢賢治『銀河鉄道の夜』などを上演。これまで、国内外の多くの古典戯曲や文学作品を手掛けてきている。
長堀博士の演出は、「戯曲」を「声に出して音声化」しないと意味を成さない文学として「詩」と同義だと考え、詩的な、耳で聞いて気持ちいい独特の台詞表現の舞台作品を上演している。
また、オリジナルの長堀戯曲の上演も少なくない。旗揚げ作品で代表作の『メタファンタジア[眠りの森の…]』では、東京芸術劇場や青山円形劇場にも進出している。他の劇団への書下ろしも多く、他のペンネームでも執筆をしているため、長堀の執筆戯曲数は数知れない。
その他、長堀博士の活動としては、
大道具としてテレビ番組やコンサート、新喜劇、能や狂言や歌舞伎、バレエやオペラなどのスタッフをやっていた経験を活かし、その後、舞台監督としてOMー2や山の手事情社などの海外公演のスタッフを経験。これまで、ベルン(スイス)、ベルリン(ドイツ)、シティティン(ポーランド)、アテネ(ギリシア)、プラハ(チェコ)、上海(中国)、ソウル(韓国)、バンコク(タイ)、シカゴ(アメリカ)、シビウ(ルーマニア)でステージワークを行ってきた。それら海外での舞台制作に係わることが、楽園王の舞台創作に大きな影響を与えている。
また、青山大学で行われているワークショップデザイナー(第18期)の授業を履修したワークショップのファシリテーターでもある。現在、ワークショップの知識も使い、毎月4にと6日に「通常稽古46」という稽古の為の稽古を行っている。